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イチロー
イチロー。今さら説明するまでもないスーパースター。
僕が好きな…というか、ある意味尊敬の念を持っているプロスポーツ選手でもあります。



彼を初めてナマで見たのは、1991年。今から17年前の夏でした。
当時、名古屋に住んでいた僕は営業をサボって高校野球の愛知県予選を観戦に行きました。その日は準々決勝。愛知私学4強の中京(現中京大中京)と愛工大名電がぶつかる好カードが組まれており、熱田球場は平日にも関わらず満員の観客で埋まってました。その観客が口々にしていたのが、「名電の鈴木はスゴイ」という言葉でした。春の選抜にこそ出場していたものの、当時の「鈴木一朗」という名前はまだ全国区では無く、僕も「背番号1かぁ。イイピッチャーなのかな?」という程度の認識しかありませんでした。
しかしこの試合を見て、僕は衝撃を受けました。いや、衝撃とかそんな言葉では言い表せないモノを彼に感じたんです。この試合、彼の放った2本のホームランはそれだけ強烈なものでした。
彼のプレーをもっと見たい。そう思って準決勝も観戦に行きました。やはり高校野球好きの当時の上司を誘って(もちろん、仕事中にサボってですが…)。その上司に僕は「この鈴木って選手、絶対に覚えておいた方がいいっすよ。スゴイ選手になると思いますから。」力説する僕。この日の試合前にも僕は彼の凄まじいまでの力を見る事になります。この試合でも放った2本のホームランと隙のない走塁。どれも高校生のレベルでは無かったのですが、それよりも僕が圧倒されたのが、試合前のキャッチボール。イチローの相手の選手(背番号9を付けていたので、レギュラーの外野手のはずです)が、助走をつけて投げてもゴロになってしか届かない距離を彼はノーステップで、しかも「レーザービーム」並みのダイレクトで投げていました。
結局、決勝では敬遠攻めにあい、試合にも敗れ甲子園出場はなりませんでしたが、彼の存在は僕の心に強く刻み込まれたんです。
なので、彼が突然メジャーになる活躍をプロで見せても、僕は全く驚きませんでした。

そして、彼は皆さんもご存じのように、素晴らしいキャリアを重ねていく事になる訳ですが・・・
僕は、いつからか彼のプレーそのものより、そのメンタリティの強さにすごく興味を持つようになりました。富も名声も、誰もが認めるNo.1の称号を得ながら、彼の野球に対する姿勢は全く揺るぎなく、どこまでも貪欲で真摯でした。いったい、彼は何にモチベートされているのだろう?僕は彼の語録の類のものを読み漁りました。その中に、こんな一節がありました。
中学校の頃の事を語ったものですが・・・
『小学校ではあまり勉強しなかったんですけど、中学になって、 それじゃマズイって、一生懸命勉強したんです。
テストの点は取れました。実際、自分ができる限りの勉強はしました。 でも1番にはなれなかったですよ。
学年で3番とか4番にはなれても、決して1番にはなれなかった。それで勉強あきらめたんですよ、僕』

彼の通っていた中学校は、特別な私立受験校とかではなく普通の公立中学です。とはいえ、学年3番か4番。十分「優秀」と言われてもいいレベルです。しかも、彼が「一生懸命勉強した」というくらいですから、相当の努力をしたはずです。それでも「1番になれない」勉強より…というより「1番になりたい」野球に熱を入れたんでしょうね。普通の人なら、3番でも十分満足しますよね。「トップクラス」という言葉で納得して。
彼は、こうも言ってます。
『妥協をしてきたこともたくさんあるし、自分に負けた事もいっぱいあります。ただ、野球に関しては、それが無いというだけで。』


前にも紹介したように、僕は今人事の仕事をしています。
人事の大切な仕事の一つに、若い社員の教育・育成という事があります。ともすれば、楽に流れる事の多い世代に「本当のプロとは何か?」というメッセージを出す事も、僕の仕事の一つです。そんなとき、僕が引用するのが、元ジャイアンツヘッドコーチの故牧野 茂氏の「アマチュアは和を以って由とする。プロは勝つ事によって和が生まれる」という言葉と、イチローの数々の語録です。

来年の春開催されるWBC。
結果はともかく、またあのイチローの熱い姿が見れるのが、今から楽しみです。
彼は、また僕にどんな言葉を投げかけてくれるのでしょうか…。
Top▲ | by to-oh | 2008-11-14 22:16 | スポーツ

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